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2014年1月18日土曜日

1995年のわが家

阪神大震災の日ということで昔の写真や本を見てあの頃を思い出していました.
当時私は関東に住んでおり,神戸・六甲の実家には母が一人で住んでいました.
そういえば昨年は震災の翌日に歩いた道を再び歩きましたな.

[過去の記事]
阪神大震災の頃を思い出して その1
阪神大震災の頃を思い出して その2

赤が全壊,紫が焼失. 「阪神大震災地図」日地出版(1995)

改めて見ても六甲道駅周辺から阪神石屋川,新在家,大石方面の壊滅状況に震撼します.

壊滅的に倒壊している家屋,マンション,高架橋をこれでもかと目にしながらたどり着いたわが家は奇跡のようにちゃんと建って見えました.ということで当時の写真を紹介.

見た目はちゃんと建っていたとは言え,至る所を損傷していました.

波板の塀の右がうちで左が隣家.ここは後から2Fを増築した部分で支える壁と2階床の接合部分がダメージを受けていました.なんとか床が持ってくれました.


同じところを下から見上げたところ.モルタルがはがれ落ちて床組や配管が見えています.雨樋もはずれまくってますな.

浴室はこんな感じ.

タイルは伸縮しないので割れたり,このように全体的にはがれました.

2Fの部屋.

ここに寝ていたらただでは済まなかったと思う.阪神大震災では家具による圧死も多かったですね.

外壁の亀裂.よく頑張ったと言えよう.


この時すでに築40年程度の在来木造なので南面の1,2階共に開口部が大きく,そういう目でみれば不安な間取りです.と言っても当時は普通の間取りでしたけどね.

ぴったりくっついていた隣家との間に隙間が.

隙間の右がうち,左が隣家.ほんまぎりぎりに建てとるなw

隣家の物干し場がうちの方に倒れ込んでます.


近くから見たところ.

写真はないですが,うちの物干場もはしごのような階段部が外れて落ちました.
物干し場のような軽い付属物と建物本体では揺れ方に差があるから外れたのでしょうか.

下屋.

瓦は全体的にずれて軒部は落下してました.

2Fの屋根.

ブルーシートをかけたところ.当時,新在家にあったホームセンターブリコで買ってきました.全然足りないのでひどいところにちょこっとかぶせた感じ.


遠目に見たところ.ブルーシートがわが家.
この状態で放置し,茨城県の公営住宅を貸して頂き半年ほど避難したのでした.

あの大震災の中でこの程度の被害は恵まれた方と言えるでしょう.町中が目を疑うような被害状況でした.生きるということをかなり実感した時期でした.


2014年1月14日火曜日

神戸に海文堂書店がありました

2013/9/30で閉店した海文堂書店.創業99年目にしての廃業でした.
佇まいはこんな感じ.

1981/12に増築増床し250坪という当時,神戸市内ではジュンク堂センター街店につぐ規模の大書店となりました.
海事図書の出版でも知られ書籍の出版,小売り兼業でした.

1Fは雑誌,文芸,文庫新書,児童書,人文,芸能,旅行,実用などの一般書.
ショウウィンドウには絵画も掲げられ,


店内では神戸の地元の問題にもリアルタイムに反応.

入口にドーンと存在した新刊ひな壇.

店内什器はほぼ81年の増床時に新規に作成したものがそのまま使われていると思われます.
外壁色と合わせたグレーの彩色が落ち着いた雰囲気をつくります.モノトーンですが木製です.昨今の木目調いんちきスチール棚とは対照的.

この書棚は六甲の古書店ブックス・カルボに引き継がれています.
本棚の搬入 by ブログ@カルボ
http://books-carbo.jp/blogcarbo/entry-538.html

棚奥に本の位置調整パーツとして笑犬楼(筒井康隆)様の宣材をカットした手造り品が!

見つめられてますw
これは見つけた頃にtwitterで投稿したら海文堂さんのblogでもチェックされてましたw
http://d.hatena.ne.jp/kaibundo/20121003#p1 by 海文堂書店日記

海文堂出版の帆船ポスター.


1981年の増床時のコンセプトは専門書店の集合体ということで,売場スペースにはゾーン毎に何カ所か机がありました.

2Fへ本を運ぶダムウェーター.


店内を飾る色紙が歴史を感じさせます.

「万引きは犯罪です!!」
こんなのとは別に前店長による味のある手書き文字の注意書きが2Fのギャラリー付近に残っていたのですが,撮っとこうと思って忘れてしまいました.
神戸読書アラカルテ(3)by ほんまに日記 http://hiranomegane.blogspot.jp/2013/12/3.html
「拝啓、万引諸君」多分これをコピーしたものだったと思います.

2Fに上がる階段には同書店のシンボルの舵輪.できた頃は回した記憶があります.いつの頃からか,がんじがらめにw


階段にもたくさんの色紙が飾られていました.「ほんまに15号」(くとうてん)にたくさん掲載されています.でもそこには載っていなかった,いしいひさいちさんのを載せとこw
「スペクテイター29号」(幻冬舎)連載の猟盤日記によりますと,元町・穴門筋に店を構えるちんき堂さんにこのいしい氏の色紙が贈られたそうです.

2Fは理工,学参とともに一番の海文堂らしさの特色たる海事書,そしてギャラリーがありました.
2Fの窓から見下ろす元町商店街.



エアコンには雨の日の傘袋のようななにかが.

多分,直接風があたると本が乾燥して反ってしまうのを防ぐための愛の小道具だと推察したのですがどうでしょうか.

さらに2Fには2010年12月に古書波止場も開港.


やまだ書店・一栄堂書店・イマヨシ書店・あさかぜ書店の市内4古書店の合同売場でした.

元町・古書波止場 by daily-sumus で紹介されています.
http://sumus.exblog.jp/14399781/
またこの古書波止場とは別にちんき堂,トンカ書店,善行堂の棚も店内にありました.

ほんまに15号より1978年に西側店舗を増設した頃.店舗建替え前の姿.

私が初めて海文堂に出会った頃ですね.

最近でこそちょっと面白書店の雰囲気も漂っていましたが,私が初めて訪れた1978年頃は文芸書の品揃えはオーソドックスで静謐な,どちらかといえばちょっと敷居が高い雰囲気でした.当時は中学生でしたから当たり前でしょうがw
それでもマニアックなコミック棚の漢口堂や,海文堂と同じ80年頃改装した日東館のサブカル棚に比べても大人の雰囲気の書店でした.どちらももうありませんが.

ブックカバーも素敵で人気がありましたね.

1980年頃の文庫カバー.当時のものはタイトルや日付の記入欄がありました.これもいつかの海文堂書店日記で紹介して頂きました.

店を出てぐるりをぶらっと.
増改築の歴史を感じる側面.奥が北方向,商店街に面する店舗部分です.


エアコンのドレンホースでしょうか.生命感を感じます.

南側は事務所です.窓の絵は魚でしょうか,目でしょうか?


海の女神っぽいなにか.

2Fの窓には救命浮き輪が見えます.さすがに用意がいいw


ポスト.

南の車道側入口.窓の四隅から広がる亀裂は震災の痕跡か.


「ほんまに15号」の表紙を紹介.海文堂書店の屋上の絵だそうです.
http://www.honmani.net/
海文堂書店の記憶がつまっています.
販売店,購入方法はリンク先を参照ください.


阪神大震災からいち早く復興してくれたのも海文堂書店でした.
1995/1/26朝日新聞より

ではまた.
2013/8-9月を中心に散歩